季語のたのしみ② 紅葉且つ散る

12月に入り、寒さも本格的になってまいりました。

 

皆さんは今年も紅葉を楽しまれましたか?

昼夜の寒暖差が激しいと鮮やかな色合いだと聞きますが、今年はとりわけ美しく感じたのは私だけでしょうか?

 

紅葉に関係する季語はいろいろありますが、紅葉した葉が日に照って輝くのを「照葉(てりは)」、紅葉が鮮やかでそのあたりが明るく見える様子を「紅葉明り」と言います。

そして今回ご紹介する「紅葉且つ散る」とは、紅葉の盛りに、一方では散っていることで、

俳句独特の表現です。

「紅葉散る」は冬の季語ですが、「紅葉且つ散る」は秋の季語になります。

 

紅葉且つ散る川音に雨音に(もみぢかつちるかわおとにあまおとに)  始子

 

先週末に開催された湯河原吟行会で詠まれた句です。あいにくの雨となったのですが、鮮やかな紅葉の一方で、散り始めて川に流れていくものもあり、なんとも風情がありました。この句は、美しい光景を視覚で捉えながら、静けさの中交じり合う川音と雨音を耳で捉えています。

 

雨上がりの紅葉の鮮やかさと艶っぽさ。写真からも感じていただけるでしょうか?(ゆうこ)